2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

三木清「語られざる哲学」(1919) (5) 矛盾する二つの心――倫理の原点/その1

♦久しぶりに「語られざる哲学」に戻ると、 反省とは己れ自身を知ることであるが、「汝みずからを知れ」という古より繰り返されてきた句を、単に知識として習得するのではなくて、「いやしくも自分自身において深く生きようとする者は、まず何よりも謙虚な心…

悲しみが魂のふるさとである

♦5日に日本福音ルーテル東京教会にてアンサンブル・ポエジア・アモローザの公演、 Piangete occhi. 瞳よ 涙を流せ 〜17世紀イタリアの宗教的な歌 を聴いた。 演奏者のめいめいが思い切り表情豊かに歌っていながら、ソプラノ、コルネット、ヴィオラ・ダ・ガン…

民草の心と信仰心

♦一昨日はホーリネス東京中央教会にて、声楽アンサンブル・オリエンス第11回演奏会を楽しんだ。眼を引いたのはジャヌカンの『鳥の歌』などのフランス世俗曲と、パレストリーナのミサ曲『ニグラスム』という宗教曲が組み合わされていたことであるが、文化面に…