2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

デカルトの問題性が摑めなければメルロ=ポンティは分からない 3

メルロ=ポンティの哲学は単なる心身合一の立場ではない。 デカルトには「心身の区別」と「心身の合一」という二つの面があるが、メルロ=ポンティはこのデカルト的二面性を引き受けているのである。 (但し、これら二つの面がどのように結ばれるのかがまさ…

デカルトの問題性が摑めなければメルロ=ポンティは分からない 2

私は在外研究で、ジャン・マリー・ベイサード教授(パリ大学第十大学)の授業に参加しつつ、教授の主著『デカルトの第一哲学:形而上学の〈時間と整合性〉』をノートをとりながら繰り返し繰り返し読んだ。 その間、考え続けたのはもっぱら「デカルトの循環」…

デカルトの問題性が摑めなければメルロ=ポンティは分からない 1

メルロ=ポンティのデカルト論をいくら読んでもデカルトは分からない。 しかしデカルトを読めばメルロ=ポンティは分かる。 というより、デカルトの問題性が掴めなければメルロ=ポンティは分からないのである。 これが1986年度におけるパリ大学での在外研究…