2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

三木清「語られざる哲学」(1919)  (2) 真に生きるということ

♦私は昨年の夏まで或る哲学会の委員長を務めていたのであるが、数名の運営委員(色々な大学の哲学教授)たちは皆、運営に関わる或る根本的な問題に関して議論をしようとしない(議論をさせない)という態度をずっと貫いた。具体的な話は省略するが、そのこと…

三木清「語られざる哲学」(1919)   (1) 純粋ということ

♦三木清は京都帝国大学在学中の夏休みに「語られざる哲学」(1919年)という論考をしたためた。書き出しでいきなり「懺悔」という言葉が使われるこの論考は、一高においても京大においても飛び抜けた秀才であった三木が、そうしたずば抜けた秀才としての自分自…