2024-04-05から1日間の記事一覧

三木清「語られざる哲学」(1919) (3) 「罪と悪、寂しみと悲しみ、それらは・・・秀れた魂が到り得る人生の本然においてでさえ見出されずにはいられないもののようである。」

♦前稿で触れたラッソの「ペトロの涙」であるが、私は特に最後の第21曲の詩に関して、イエスの怒りと悲しみは余りにも人間的であるという感想を抱いた。イエスは十字架上で次のように不平不満を吐くのである。 [最初の二行]・・・ pro te patior /・・・ p…